2014年05月30日
病気にならない15の食習慣 その9
聖路加国際病院理事長の日野原重明先生がお書きになった「病気にならない15の食習慣」という本をシリーズでご紹介します。

きょうは、その9「コレステロール値は少し高めな方がいい」をご紹介します。
まず、日野原先生の本を要約し、次に私のコメントを書かせていただきます。
日野原)
健康診断の結果に一喜一憂する人がいますが、数値というものは日々変化しているので、あまり振り回されないことです。
日本で最初の人間ドックは昭和29年、その後「早期発見が一番」という呼びかけで検診を受ける人は徐々に増えていきました。新たな問題として、検査結果に神経質になりすぎることがあります。
私は、コレステロール値を下げるための方策としてオリーブ油を飲んでいるものの、数値についてはさほど気にしていません。総コレステロールは220以下が望ましいとされていますが、この数値にとらわれすぎるのもどうかと思います。私は、長いこと230台から下がることはありませんが安定しています。動脈硬化も心筋梗塞も発症することなく、現在も元気に暮らしています。周囲の人を見ても、230台ぐらいの人のほうが元気なくらいです。
検査結果に一喜一憂するのは意味のないことです。常に変動を続けているのです。大切なのは、去年と比べてどうだったか、前回と比較して、安定しているのか、変化が激しいのかを分析することです。だからこそ、定期的に診断を受ける必要があります。
健康を保つということは、自分を取り巻く、様々な変化に対して、そのつどバランスをとり、心と身体を適応させていくことだとルネ・デュポスは説いています。「こうでなければいけない」という考え方では、健康は保てません。何事にも対応できる柔軟性が大切なのです。
今西)
検査の値は常に変動しています。変化のトレンドを知るのが大切です。血圧も同じ条件で定期的に測定し、上昇傾向にあるのかどうかを判断するのがいいのです。その意味で、自宅で計るのが大事なんですね。
検査値の基準も大きな問題を含んでいます。基準値から外れると治療の対象になりますからね。
2ヶ月ほど前に検診結果の正常範囲に関して、新しい基準値が提案されました。記憶に新しいところです。
たとえば、LDLコレステロール。
現行では60~119が検診での正常範囲。
新基準案では、男性72~178、女性は73~183(45~64歳)と大幅に緩くなります。
この新基準は、5万人の検診データを分析して作成されたそうだ。
まだ案の段階なので、実際に検診機関で採用されるのは先の話ではあるが、正常範囲というのもどこまで信頼できるのか実は怪しいと言うことがおわかりいただけると思う。
基準が変わると病気の判断も変わり、治療の必要性も変わってくる。薬の売れ行きも変わる。
実に根が深い問題なんですよ。

ランキング参加中 クリックして応援をお願いします
糖質を減らして、肉・卵・チーズ(MEC:MeatEggCheese)を食べましょう!!
今西康次 南部徳洲会病院小児科部長、中部徳洲会病院ダイエット外来
「記入式ダイエット外来の減量ノート 糖質制限実践マニュアル」
http://www.amazon.co.jp/dp/4480878645
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。