2014年04月23日

新薬スーグラ

ダイエット外来の減量ノート 表紙
「ダイエット外来の減量ノート」筑摩書房刊
ダイエット外来の患者さんのために書いた教科書を一般公開。
モチベーション維持に有効なノート機能。
ダイエットのコツを簡潔にまとめたテキスト&ノート。
生活習慣病対策にも効果的。






新しい糖尿病薬が発売されました。
先陣を切ったのは「スーグラ」という名前。
今後、ほぼ同じ成分の薬剤が各社から相次いで発売されます。


この新しい糖尿病薬は「SGLT2阻害薬」という仲間です。


SGLT2とは、腎臓にあるレセプターで、ブドウ糖の再吸収を調節しています。
このSGLT2の働きを邪魔することで、腎臓でのブドウ糖の再吸収を減らし、ブドウ糖を尿として排泄します。


すなわち、体に余分なブドウ糖を捨ててしまう薬です。


待てよ、余分な糖を捨てる?
ということは、必要以上のブドウ糖を摂取しているのが良くないということです。


実は、この新薬の考え方は、糖質制限とまったく同じです。


糖質制限・・・糖質を余分に食べないようする
新薬  ・・・余分に食べた糖質を捨てる


日本の糖尿病学会は、糖質制限食は長期予後のデータがないので安全性が不明なため推奨できないという意見を貫いていますが、この新薬は(もちろん)推奨しています。新薬こそ長期予後のデータはまったくありません。しかも、「必要以上のブドウ糖を体に入れない」という根本の考え方は同じなのに、食事療法はだめで、新薬はOkとするダブルスタンダードです。


全くの矛盾だらけの方針。
薬売らんかなあの方針。
日本の糖尿病学会には開いた口がふさがらない。


ところで、この新薬ですが、薬剤による糖質制限ですので、糖尿病だけでなく減量にももちろん効果があります。保険診療では糖尿病だけです。


この効果に目をつけて、自由診療で肥満者に新薬を提供する医療機関(東京)も現れました。
当然の成り行きでしょう。
いいことか、良くないことか、意見は分かれると思います。
皆さんはどうお考えですか?


ちなみに、薬ですので副作用があります。
 ・多尿やそれに伴う脱水症状
 ・尿路感染症
 ・性器感染症(特に女性)
 ・電解質やコレステロールへの影響
が、懸念されています。





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南部徳洲会病院小児科部長 今西康次
小児科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本プライマリ・ケア連合学会指導医


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Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 10:06│Comments(2)健康ダイエット食事療法
この記事へのコメント
はじめまして

アトピーで、糖質制限をしています。

この薬、とても興味がありますが、やはり糖尿でもなく、肥満体でもない人が
服用するには、リスクは大きいのですよね。
特に低血糖。

それでも、アトピーを改善したいが故、
糖をできるだけカットできるなら夢のようなお薬です。
アトピーとはいえ、たまに糖もとりたくなります。
そういうときの手助けにもなりうるのではと思ってしまいます。

当然、自費にて購入と形になりますが、
漠然とすごい薬がでたものだと思いました。

試せる機会があるのなら試してみたいです。
Posted by みなみ at 2014年05月10日 18:46
みなみさん、コメントありがとうございます。

この薬はまさしく糖質制限を行う飲み薬です。
血糖値に関係なく、糖を尿に排泄します。
知り合いのドクター(糖尿病を糖質制限で克服された方)が、ご自身でお試しになっていますが、糖質を含む食品を食べた後でも血糖値はさほど上がらないようですし、正常な血糖値であっても尿には糖が排泄されているそうです。

余分な糖を捨てるくらいなら、最初から食べない方が合理的ですが、どうしても食べたいときには救世主になり得ますね。

副作用の尿路感染症や脱水が気になりますが、これは市販後調査の結果を見てみないとわからないですね。

blog記事にも書いたように、すでに自費診療でダイエット目的に処方している医療機関も現れています。現実問題として、糖質制限の一つの方法としての需要は高まっていくでしょう。

良い悪いは別として、大ヒットする薬であると予想します。
Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアルダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 2014年05月14日 10:19
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