2013年09月22日

結局どの油が良いのか

ダイエット外来の減量ノート 表紙ダイエット外来の患者さんに使っていただいている副読本です。

記録することで自分の頑張りが実感できます。

テキストとノートの両方を all in one。






奥山治美著「本当は危ない植物油」からの第4回目。


前回、オリーブオイルも決して安全ではないということを紹介しました。
私自身、トランス脂肪酸含有量の見地から、これまでエキストラバージンオリーブオイルを推奨してきただけに、残念な内容でした。


では、奥山先生の推奨油は何かということですが、
植物油に関してはω-3が多く、かつ、毒性を持つ成分が少ないということでp149図21では、

結局どの油が良いのか



バター、ラード、牛脂などの動物性脂肪
ごま油、大豆油、シソ油、エゴマ油
紅花油

となっています。

これらのうち紅花油を除くものは、私も講演会などで推奨してきました。
紅花油は奥山先生の本の48ページで触れているように脳神経への刺激が強めなので、私は賛成できません。


確かにスーパーで並んでいる油脂を見てみると、推奨品は概して値段が高いですね。一番安く売られているのはキャノーラ油(菜種油)でした。大豆油含有量の多いものは値段が高めで、100%大豆油は近所のスーパーにはなかったです。


179ページ以降に総まとめが載っています。
推奨する植物油:シソ油、エゴマ油、亜麻仁油、フラックス油
健康に悪い油:マーガリン、キャノーラ菜種油、パーム油、ω-3の少ないほとんどの植物油
推奨する動物油:魚油、バター、ラード、牛脂



いやあ、油がヒトにとって重要な栄養素であることは明らかなのですが、実際にどの油がいいのかというのは実に奥が深いテーマでした。いろんな見解があるのですが、奥山先生が指摘しているように、そこには企業利益がからんでおり、純粋に科学的な意見がどれであるのかを見極めるのは実に難しいのが現状のようです。

この油の問題は、今後も勉強を続けて報告していきたいと思います。




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病院で使っている副読本ですので自信を持ってお勧めします。

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書評はこちら
http://gendai.net/articles/view/kenko/142181
http://低糖質.com/review/cat28/post_163.html


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Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 10:57│Comments(5)健康美容ダイエット食事療法
この記事へのコメント
ご著書を購入し、拝読しました。簡潔かつ実用的でお勧めですね。
さて、オリーブオイルの発がん性については今西先生の盟友(?)であられるカムカム渡辺先生がご著書の中(p.144)ですでに述べておられます。渡辺先生も良かれと思い大量に購入したが、捨てるに捨てられず困っていると。なお、渡辺先生は特にエビデンスを示してはおりませんが、おそらく奥山先生の著書が根拠でしょう。
Posted by ozoz at 2013年09月28日 10:24
コメントありがとうございました。

今回紹介した奥山先生の本は2013年の5月に出たばかりの本です。奥山先生の著書を調べたところ、1990年頃から食用油問題を取り上げておられるようですから、オリーブオイルの発がん性も早くから警鐘を鳴らしておられたのだと思います。

ただ、今回の本で発がん性の根拠として挙げておられる論文ですが、「Suppressing effect of perilla oil on azoxymethane-induced foci of
colonic aberrant crypts in rats」でNobuhito Onogi先生ら、岐阜大学第一内科の先生方の研究報告です。ネットでもフルテキストで読めます。

この実験は、発がん性を見るための実験ではなく、発がん物質を与えたときに、えごま油に発がん抑制効果が認められたというものです。

オリーブオイルでは抑止力がなかったということで、オリーブオイルを発がん物質とは言ってないようです。

ほかの動物実験で発がん性が示されているのかもしれませんが、今回の本では他の論文に触れていません。

また、江部先生のblogでもオリーブオイルと発がん性の関係が触れられていましたのでご紹介しておきます。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1775.html

どうやら、オリーブオイルの発がん性に関しては、追加実験されていないというのが実情のようです。勉強不足でこの程度しかわかりません。
Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアルダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 2013年09月28日 18:11
奥山先生が本の中で引用されていた論文はこれです。
http://carcin.oxfordjournals.org/content/17/6/1291.long
Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアルダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 2013年09月28日 18:15
ご返事、ありがとうございました。

奥山先生はご著書の中でこの論文を解説されており、続けて、オリーブオイルはカナダでの研究で脳出血促進作用があることが分かったと。そして、そのことを奥山先生のグループも確認しているとしています。そして「このようなオリーブ油の悪い面は、ちゃんとした論文になっているにもかかわらず」云々と述べておられますが、残念なことに本文中ではその「ちゃんとした」論文は、カナダのも奥山先生らのグループのも、示してはおられません。Onogi先生らのは示しているにもかかわらずです。渡辺先生はこうした論文をご覧になって、オリーブオイルは使わないと判断されたのかもしれませんが、私のようなオリーブオイル好きには論拠が明示されていないのがとても残念です。

なお、余談ですが、私自身はエクストラバージンオリーブオイルは冷たい状態でサラダなどにかけて使っており(香りが好きなので)、加熱する料理油は酸化しにくいココナッツオイルを使っています。オリーブオイルは不飽和脂肪酸が多く加熱するとすぐに酸化してしまうという理由です。また、オリーブオイルの酸化は常温でも起こるので、小瓶で求め、開封したら暗冷所に保存し、早めに使い切っています。
Posted by ozoz at 2013年09月29日 14:35
ozozさん、こんばんは、コメントありがとうございます。

そうなんです、このようなデリケートな問題はぜひ根拠となる文献を示してほしいのです。正反対の意見が錯綜している問題ですので、しっかりした根拠がないと判断できないですよね。他人に勧めるとなるとなおさらです。

私も自宅ではエクストラバージンオリーブオイルを主に使っています。揚げ物するときは残念ながらキャノーラ油でした。ちょっと反省。せめて大豆油にしたいところですね。

エクストラバージンオリーブオイルはご指摘のように酸化しやすいので、開封後の賞味期限が短いのが使いにくいところですね。いい商品を小さいボトルで買うのがいいのでしょうね。

今後とも、情報提供をよろしくお願いします。
Posted by ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアルダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル at 2013年09月29日 23:44
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