「ダイエット外来の減量ノート」筑摩書房刊
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ダイエットのコツを簡潔にまとめたテキスト&ノート。
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飽和脂肪酸に対する意見って分かれるんだよね。
つくづく油って難しいなあと感じる日々。
2014年1月に出されたAcademy of Nutrition and DieteticsのPosition Statementでは、脂質を総エネルギーの20~35%をとるように勧めている。比較的多く食べるように勧めているので糖質制限派には喜ばしい内容である。
しかし、どんな脂質をとるのかという点では、まだすっきりしない。
Academy of Nutrition and DieteticsのPosition Statementでは
十分にとるもの:ωー3系
減らすべきもの:飽和脂肪酸、トランス脂肪酸
頻繁に食べるべき食材:油ののった魚、ナッツ、種、赤身の肉、鶏肉、
低脂肪乳、野菜、果物、全粒粉、豆
脂質を十分にとることは勧めているのですが、いまでも飽和脂肪酸は控えるべきとのスタンスは変わっていません。したがって、動物性油脂は控えるべき対象となってしまいます。このほか飽和脂肪酸を含む食材には、ココナツオイル、ココアバター、パーム核油、硬化植物油(マーガリン等の原料)などがある。
一方で、名古屋市立大学名誉教授の奥山治美先生のご意見では、ラードや牛脂といった動物性油脂は健康に良い油となっています。
学者によって意見が異なるのは当然のことだとは思いますが、全く正反対の意見だと正直なところ困ってしまいますね。動物性油脂を推奨する学会や団体が増えてくるといいなと願っています。動物性油脂を勧める文献などぜひ教えてください。
最後に、今回の出典(抜粋)は以下の通りです。
この団体は100年以上の歴史がある世界最大の栄養学者の団体です。業界の意向が全く働いていないかどうかはわかりません。
Position of the Academy of Nutrition and Dietetics: Dietary Fatty Acids for Healthy Adults Position Statement
Gretchen Vannice, and Heather Rasmussen
Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, 2014-01-01, Volume 114, Issue 1, Pages 136-153
Position Statement:
It is the position of the Academy of Nutrition and Dietetics that dietary fat for the healthy adult population should provide 20% to 35% of energy, with an increased consumption of n-3 polyunsaturated fatty acids and limited intake of saturated and trans fats. The Academy recommends a food-based approach through a diet that includes regular consumption of fatty fish, nuts and seeds, lean meats and poultry, low-fat dairy products, vegetables, fruits, whole grains, and legumes.
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南部徳洲会病院小児科部長 今西康次
小児科専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本プライマリ・ケア連合学会指導医