聖路加国際病院理事長の日野原重明先生がお書きになった「病気にならない15の食習慣」という本をシリーズでご紹介します。
きょうは、その5「
”油抜き”では痩せられない」をご紹介します。
まず、日野原先生の本を要約し、次に私のコメントを書かせていただきます。
日野原)
過酷なカロリー制限を伴うダイエットは長続きせず、リバウンドを引き起こしたり、体調を崩す原因になったりします。ダイエットを成功させるコツは、炭水化物と糖質をコントロールすることなのです。
江戸時代の儒学者、貝原益軒が養生訓の中で長寿のために必要なものの一つに食欲を抑えることを上げています。私が本格的に節食を心がけるようになったのは60歳を過ぎてからで、腹八分目を心がけ摂食カロリーも1600Kcalを目安としています。
しかし、海外出張ではどうしても体重が増えてしまい、帰国の飛行機からダイエットを開始し2週間で元の体重に戻すのを目標とします。
なんでも量を減らせばいいというものではありません。野菜やたんぱく質などはしっかり摂取して、減らすべきは炭水化物と糖質です。
ごはんの量を減らし、甘いものを減らすことです。
最近では糖度の高い果物も出回っていますので、こういう果物も食べ過ぎないように心がけることです。
ごはんは食べてもいいけれど、ダイエット中は量を少なくしなければ効果がありません。私はお寿司が好きですが、お行儀は悪いですがごはんを残します。
ダイエット法にはいろいろな方法があり、オイル抜きがいいと、いっさい肉や油を摂らない人がいますが、それは間違った方法です。肉や魚はタンパク資源であると同時に、その油には、血管を柔軟にしたり、コレステロール値を下げたりする作用があります。
最近ではさまざまな食品に「ノンオイル」という表示が目立つようにましたが、全く摂らないというのは、かえって身体のバランスを崩すと思ってください。
炭水化物と糖質の摂取にさえ気を付ければ、確実に体重は落ちます。何度もウエイトコントロールに成功してきた私が言うのですから間違いありません。若い人は代謝が良いのですからより効果が期待できます。
ダイエットに成功するということは、体に良いだけでなく、心にも良い影響を与えます。それは自分自身で身体を管理し、コントロールできるという自信です。この自信が出てくると健康への不安はなくなります。たとえ過食して太ったとしても、また、元に戻せるのですから大丈夫と思えるようになるのです。
今西)
今回の章はもろ手を挙げて賛成したい。生活習慣病の名付け親の日野原先生だけあって、糖質の害、たんぱく質や油の重要性を正しく認識しておられます。
油は血管を柔軟にしたり、コレステロール値を下げるというご指摘はとても重要で、まさに多くの人が誤解しているところです。たんぱく質と油が重要なのですよ。だから、糖質を減らして肉卵チーズを食べましょう!という考えにつながるのです。
最後の部分で、ダイエットに成功すれば自信が生まれ、健康への不安がなくなるとコメントされていますが、糖質セイゲニストのみなさん(糖質制限を実践している人々のこと)はこの自信にあふれています。
さあ、皆さんも糖質を減らして、肉・卵・チーズを食べましょう!!
今西康次 南部徳洲会病院小児科部長、中部徳洲会病院ダイエット外来
「記入式ダイエット外来の減量ノート 糖質制限実践マニュアル」http://www.amazon.co.jp/dp/4480878645