病気にならない15の食習慣 その2
聖路加国際病院理事長の日野原重明先生がお書きになった「病気にならない15の食習慣」という本をシリーズでご紹介します。
きょうは、食習慣その2「寝る前に食べても大丈夫」をご紹介します。
まず、日野原先生の本を要約し、次に私のコメントを書かせていただきます。
(日野原)
一般的に、夜、寝る前に食べるのは身体に悪いとされていますが、多くの人にとってゆっくり食事ができるのは夕食のみ。就寝前の食事を禁止したら、満足に食べられないというストレスになるのでは?
「夕食を軽くして、寝る前の3時間は食べないように」と医者や栄養士から指導を受けた人は多いでしょう。これは確かに理想的ですが勤め人にはなかなか難しいようです。私も同じで、食事のウエイトは朝昼夕で2:3:5です。周りからは身体に負担になると心配されますが、私は不安に感じたことはありません。
何年も、夕食にウエイトを置いてきた私が言うのですから確かです。1日の緊張を解く意味でも、食べることは非常に大切なことです。食べてすぐ寝ても胃がもたれたり寝苦しいと思ったことはありません。あるとき気づいたのですが、寝方に問題があるようです。仰向けではなくうつぶせに寝るのがいい。
うつぶせ寝は、食後でもよく眠れるだけでなく、続けると肺活量も増えるようです。
決して寝る前に食べることを推奨しているわけではありません。仕事などでどうしても夕食時間が遅くなってしまう人に、少しでも負担のない方法を提案しているのです。しかし、私は遅い時間の夕食を悪いとは思っていません。科学的に証明されていないからです。医学の常識に変化はつきものです。医学には限界があり、かつ人間の身体は神秘的なのです。
常識や通念というものはすべての人にあてはまるものではありません。大切なのは、そういうものに左右されずに、自分の身体に合った独自の物差しを持つことではないでしょうか。
(今西)
100歳を超えてもかくしゃくとした日野原先生は、世の中で言われているような模範的な食事パタンでは決してないようです。夕食の比率が一番高く、食べてすぐ寝ることもあるとか。うつぶせ寝は日野原先生が提唱する健康法です。
このうつぶせ寝ですが、より自然なポーズであると私も思います。胎児は母親のおなかのなかでうつぶせ寝のような形で過ごしています。新生児の呼吸を一番安定させるのはうつぶせです。仰向けは呼吸が浅くなります。現在、寝返りができない赤ちゃんはうつぶせ寝が禁止されていますが、これは鼻や口をふさいでしまって窒息する危険性があるからです。深い安定した呼吸のことだけを考えると仰向けよりもうつぶせのほうがすぐれています。
夜遅くの食事はしないに越したことはありません。しかし、日野原先生のおっしゃるように食べて満足して一日が終わるのです。その満足感のほうが大事なのかもしれませんね。夜の食事は糖質を減らすのが大事です。吸収した糖分は活動していないので脂肪に変化してため込む一方だからです。
医学の常識があてにならないことや、すべての人にあてはまる常識や通念なんてないんだよというご意見には、もろ手を挙げて賛成です。
今西康次 南部徳洲会病院小児科部長、中部徳洲会病院ダイエット外来
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