山田悟先生の講演会
北里大学糖尿病センター長の山田悟先生の講演会が南部徳洲会病院でありました。
エビデンスとなる文献をふんだんに織り込んで、糖質制限の優位性や安全性を説明していただきました。
このようなエビデンス集を私たちがすぐに利用できるようにしていただけるといいなと感じました。
一口にメタ解析といっても、対象とする論文の質や研究方法、目的をきちんと精査しないと、
まったく的外れなもの(たとえば、少し前に話題となった能○論文など)になっているんだということがわかりました。
つい2か月ほど前に、糖質制限で寿命が縮まると結論した論文が話題となりました
この論文は、メタ解析という、過去の論文をさらにまとめあげたもので、
論文の信頼度としては一番高い手法だと習った覚えがあります。
しかし、まとめの対象とした論文が、解析に値しないようなものであったり、
研究手法が不適切であったりすると、いくらまとめたところで、結果に妥当性はないとのことでした。
このようなことは、やはり研究に詳しい人でないと見抜けないことで、
今回の講演会は非常に参考になりました。
たしかに、この話題となった論文は、海外で話題になったという話は聞かないですからね。
日本の報道機関もしっかり勉強してほしいものです。
さらに驚いたというか、やはりそうだったのかという点は、
世の中で推奨されているPFCバランス(タンパク、脂質、炭水化物のバランス)が、
何のエビデンスもなくもっともらしく是とされていることでした。
実に矛盾だらけということがよくわかりました。
患者さんの治療に当たっては「カロリー制限VS糖質制限」のような対極に持ってくるような議論は好ましくないというご意見は、やはり指導者としての冷静な見識と思いました。
山田悟先生、渡辺信幸先生との記念ショットです。
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