糖質制限VSカロリー制限

ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル

2013年06月14日 15:43

6月13日発売のTarzanのタイトルは「糖質制限vsカロリー制限」。


Tarzanの特集に関する、コメント第2弾。



今回の特集のうち、今回は4人のコメンテーターについて触れてみようと思う。

コメンテーターは、トレーナー、モデル、管理栄養士、フードコーディネータの4名。
みなさんTarzanにはお馴染み方らしい。




まず今日は、トレーナー坂詰慎二さんのコメントに触れてみる。


見出しは『筋肉を減らさないために糖質は絶対に必要』
糖質制限は絶対にやってはいけないと断言している。


絶対にやってはいけないと最初に断言しておきながら、

「日本人の食事は糖質が多い」とか、
「今の糖質制限は、全く糖質を取らないところまで行っているのが良くない」とか、
「糖が多すぎても脂肪が蓄積されてしまう」とか、

未練たらしい記述が並ぶ。



彼がほんとに言いたいのは、
「糖を食べ過ぎないように、適度な糖質制限がいいですよ」
なのだと私は理解した。




過剰なまでの糖質制限にブレーキをかけたいようだ。
それならそう書けばいいものを、完全否定で始めるから論旨に一貫性が欠ける。



細部にこだわると、首をかしげる内容もある。
糖を取らないと、タンパク質を分解して糖を作る糖新生が起こるので、
タンパクの供給源である筋肉は常に減る宿命にあるというのだ。


これ、ホントかな?


糖新生が起こるという事実は正しい。
筋肉がタンパクの供給源の一つで有ることは正しい。


しかし、食事でタンパク質をしっかり食べていれば、
体内のアミノ酸は十分量供給されているので、
筋肉を減らすような反応は起こらないのではないだろうか?


しかも、「食事をしていない時に筋肉は減って、食事をすると元に戻る」と
説明している。その理由が糖新生だというのだ。


こんな事実があるのかな?
私の不勉強か?
こんなことは生理学の教科書にないと思うけどね。


糖が作られるのは、タンパク質からの糖新生だけではない、
肝臓や筋肉中にも糖は貯蔵されているので、まずこれから供給される。


なんか、糖新生というのがどのタイミングで実際に起こるのかを、
きちんと理解しないで書いているとしか思えないのだが。


見出しにある「筋肉を減らさないために、糖質は絶対に必要なんです」
というのがそもそも科学的根拠なしと判断する。


坂詰慎二さんのコメントは、科学的根拠が少なく、
論旨に一貫性がなく、参考にしてはいけないと私は判断する。
こんな人が偉そうに指導してはいけないよ。




「ダイエット外来の減量ノート」 は糖質制限の実践書です。

最初は厳しく、そして体重をキープしつつ普通の食事にもどしていくためのマニュアルです。


http://www.amazon.co.jp/dp/4480878645
http://books.rakuten.co.jp/item/12234667/
中部徳洲会病院ダイエット外来医師 今西康次

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