糖質制限VSカロリー制限
6月13日発売のTarzanのタイトルは「糖質制限vsカロリー制限」。
Tarzanの特集に関する、コメント第2弾。
今回の特集のうち、今回は4人のコメンテーターについて触れてみようと思う。
コメンテーターは、トレーナー、モデル、管理栄養士、フードコーディネータの4名。
みなさんTarzanにはお馴染み方らしい。
まず今日は、トレーナー坂詰慎二さんのコメントに触れてみる。
見出しは『筋肉を減らさないために糖質は絶対に必要』
糖質制限は絶対にやってはいけないと断言している。
絶対にやってはいけないと最初に断言しておきながら、
「日本人の食事は糖質が多い」とか、
「今の糖質制限は、全く糖質を取らないところまで行っているのが良くない」とか、
「糖が多すぎても脂肪が蓄積されてしまう」とか、
未練たらしい記述が並ぶ。
彼がほんとに言いたいのは、
「糖を食べ過ぎないように、適度な糖質制限がいいですよ」
なのだと私は理解した。
過剰なまでの糖質制限にブレーキをかけたいようだ。
それならそう書けばいいものを、完全否定で始めるから論旨に一貫性が欠ける。
細部にこだわると、首をかしげる内容もある。
糖を取らないと、タンパク質を分解して糖を作る糖新生が起こるので、
タンパクの供給源である筋肉は常に減る宿命にあるというのだ。
これ、ホントかな?
糖新生が起こるという事実は正しい。
筋肉がタンパクの供給源の一つで有ることは正しい。
しかし、食事でタンパク質をしっかり食べていれば、
体内のアミノ酸は十分量供給されているので、
筋肉を減らすような反応は起こらないのではないだろうか?
しかも、「食事をしていない時に筋肉は減って、食事をすると元に戻る」と
説明している。その理由が糖新生だというのだ。
こんな事実があるのかな?
私の不勉強か?
こんなことは生理学の教科書にないと思うけどね。
糖が作られるのは、タンパク質からの糖新生だけではない、
肝臓や筋肉中にも糖は貯蔵されているので、まずこれから供給される。
なんか、糖新生というのがどのタイミングで実際に起こるのかを、
きちんと理解しないで書いているとしか思えないのだが。
見出しにある「筋肉を減らさないために、糖質は絶対に必要なんです」
というのがそもそも科学的根拠なしと判断する。
坂詰慎二さんのコメントは、科学的根拠が少なく、
論旨に一貫性がなく、参考にしてはいけないと私は判断する。
こんな人が偉そうに指導してはいけないよ。
「ダイエット外来の減量ノート」 は糖質制限の実践書です。
最初は厳しく、そして体重をキープしつつ普通の食事にもどしていくためのマニュアルです。
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中部徳洲会病院ダイエット外来医師 今西康次
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