ラードはからだにいいの?

ダイエット外来の実践ノート 糖質制限実践マニュアル

2013年06月08日 17:46





ラードはからだにいいのか?




カムカムダイエットの渡辺先生はラードを使うことを勧めている。ふだんサラダ油やオリーブオイルを使うことは多いが、ラードはあまり使っていないのではないだろうか?


ラードは常温では白くほぼ固まった状態であり、この常温で固まった様子から、血液をドロドロにするのではないかという負のイメージがある。さらさらしたオイルのほうがからだによさそうなイメージを持っているのではないだろうか。



ゲーリー・トーベス「人はなぜ太るのか?そして、どうすればいいか?」の209ページ以降でラード問題を扱っている。


私もラードのことはあまり詳しく知らなかったので、この部分は実に興味深く読むことができた。



ラードの脂肪成分は次のようになっている。

47% 一価不飽和脂肪酸     HDL-C↑LDL-C↓
40% 飽和脂肪酸
    その1/3 ステアリン酸   HDL-C↑、LDL-C→
    残り2/3            HDL-C↑、LDL-C↑
12% 多価不飽和脂肪酸     HDL-C→、LDL-C↓



このように、ラードにはからだにいいとされる不飽和脂肪酸が多いのです。


昨日のblogに書きましたように、心臓病との関係では、HDL-Cは高いほうがいい、LDL-Cは低いほどよいことがわかっています。


ラードの大半の成分は、心臓病のリスクを下げる効果があることがはっきりしています。これは私自身新しい発見でした。


ラードはなんとなく良くないという先入観は実は大きな間違いでした。心臓病リスクを下げるためにもらーどを積極的に使うのがよいということがわかり、正直なところ大きな驚きです。


ラード問題も含めて、1970年代に始まる低カロリー脂質制限の指導は、間違いだらけということに気づかなければならないですね。



余談ですが、先日さっそくラードを買おうと近所のイオンタウンへ行きました。商品はあったのですが、賞味期限があと1ヶ月しか残ってないものでした。びっくりです。商品管理のいい加減さに驚きました。イオン、しっかりせい!



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中部徳洲会病院 ダイエット外来担当医 今西康次

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