コレステロールと心臓病の関係
ゲーリー・トーベス「ヒトはなぜ太るのか?そしてどうすればいいのか?」より、気になる内容を紹介しています。
206ページから210ページは、HDL-C、LDL-C、TG(中性脂肪)と食事の関係について書いている。まず、この部分を要約してみよう。
1970年ごろにはコレステロールと心臓病の関係が明らかになっている。
コレステロールとして測定されるものには、HDL-C(俗称:善玉コレステロール)、LDL-C(俗称:悪玉コレステロール)、TG(中性脂肪)がある。
それぞれ心臓病に対するリスク(悪い影響)が報告されていて、その影響度を示すと
HDL-Cが低い ◎影響が大きい
TGが高い ○影響中等度
LDL-Cが高い △影響あり
となっている。HDL-Cの影響が一番大きいということだ。
HDL-Cが下がるほど、TGが上がるほど、LDL-Cが上がるほど、心臓病になりやすいということだ。
1970年ごろから盛んに言われていることに、
『食事中の脂質(特に飽和脂肪酸)を減らし、炭水化物に置き換えるとよい』
というのがあるが、コレステロールへの影響はどうだろうか?
食事の脂質を減らし、炭水化物(糖質)を増やすと
HDL-C 下がる × もっとも悪い影響
TG 上がる × 悪い影響
LDL-C 下がる △ やや良い効果
確かに、LDL-Cは下がるのだが、HDL-CとTGはよくない変化をする。
心臓病への影響度は、LDL-C<TG<HDL-Cなので、
これでは悪い影響のほうが大きいということである。
まとめると、脂質を減らして糖質を増やす食事は、
心臓病のリスクを高めるということだ。糖質を増やしてはいけない!
今日では、『HDL-Cは糖質の量を示す』とも言われている。
HDL-Cが低い人は糖質を多く食べているということだ。
次回も、ひきつづきコレステロールの項目について紹介する予定です。
わかりやすい解説と糖質制限の具体的な方法を紹介:
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http://books.rakuten.co.jp/item/12234667/
中部徳洲会病院ダイエット外来医師 今西康次
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